EXAMINATION

 食品細菌検査(病原細菌)

病原細菌検査

細菌性食中毒は、病原細菌に汚染された食品が原因で発生します。
毎年、飲食店、学校、病院等で発生が報告されています。 
生活環境が改善され衛生管理が進むにつれて経口伝染病や各種の感染症が減少していますが、細菌性食中毒は、毎年、一定数の発生があり、多くの方が食中毒に苦しめられています。
このように食中毒の発生を100%防ぐことは難しいのが現状です。 
病原細菌による食品の汚染は、目に見えず、腐敗に先行して増殖するため、味や匂いが変化する前に繁殖し発症菌量に達してしまいます。
そのため、気が付かないで食中毒を起こしてしまいます。 
食中毒による健康被害を未然に防ぐには、原料から製造、保存、販売等あらゆる観点から制御する必要があります。 
病原細菌は、主に原材料により汚染状況が異なるため、扱う食品の原材料によって調べる病原細菌を選ぶ必要があります。
当検査センターでは、食中毒の原因となる病原細菌の検査を正確・迅速に実施し、2~10営業日程で検査結果を発行しております。 
食品や原材料に汚染がなく、健全であることを検査で確認することは大切なことです。 
ご依頼・お問合せをお待ちしております。

黄色ブドウ球菌

ヒトおよび動物の化膿性疾患、敗血症あるいは食中毒の原因菌で、健康者の鼻腔咽喉、皮膚など、私たちを取り巻く環境に広く分布しています。 
そのため、調理従事者の手指からの汚染に特に注意が必要です。
そのため、本菌による食中毒の防止には、食品の製造・調理における作業環境からの汚染防止対策をたてることが重要です。
黄色ブドウ球菌の汚染がないことを確認しましょう。

感染原因・潜伏期間・症状・予防方法
  潜伏時間 発熱  おう吐  下痢
  症状0.5~6時間-
 原因食品 傷のある手で直接ふれた食品(おにぎり 弁当など)
 予防方法・傷のある手で食品にさわらない  
・食品は低い温度で保管 

黄色ブドウ球菌は、 食品の中でふえる際に毒素を作ります。  
1度作られた毒素は、煮ても焼いても分解できません。
(100℃で20分間の加熱でも分解できない)
食品は、菌がふえないように低い温度で保管しましょう。

●おにぎりで食中毒に…

原因 
・傷のある手でおにぎりを作ってしまった 
・食べるまでの長い時間、おにぎりを常温に置いてしまった

サルモネラ菌

サルモネラは馬などの家畜、鶏などの家禽、ドブネズミ等の腸管内で生息していることから、食肉等を汚染していることがあります。
またネズミによって調理場の環境が、サルモネラで汚染される恐れもあります。
サルモネラ食中毒の原因となりうる食品には、食肉、卵、牛乳、魚肉ねり製品、ココナッツ、チョコレートなどがあります。
汚染のない健全な原材料を使用するために、サルモネラ検査をして確認しましょう。

感染原因・潜伏期間・症状・予防方法
  潜伏時間 発熱  おう吐  下痢
  症状12~48時間
 原因食品・肉・卵
・ペットに触れた手や動物により汚染された水・食品
 予防方法・卵は常温に放置しない(特に割った後はすぐ使う)
・食品の中心部までの十分な加熱(75℃で1分間以上)
・調理器具の使い分け、洗浄・消毒

サルモネラ属菌は鶏、豚、牛などの腸管、ミドリガメなどの爬虫類、ペットとして飼われる猫や犬、鳥、爬虫類など自然界を含め、どこにでも広く存在しています。 
サルモネラ属菌に汚染された食品を食べることで、口から感染します。

●かつ丼で食中毒に…

原因 
・割った卵を常温に置いてしまった
・卵の加熱が不十分だった

腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオは、わが国で発見された食中毒菌で、沿岸海水中の常在菌です。
海水温が上昇する夏期には沿岸海水に多くみられ、冬期には海水中からは検出されませんが、海底の泥土中で生残しています。
沿岸海水域で捕獲された魚介類は腸炎ビブリオに汚染されている可能性があります。
また、塩分濃度が高くても増殖できるため、調理場での二次汚染により、漬物などでも増殖し食中毒を起こすことが知られています。
腸炎ビブリオ検査で良好な製品であることを確認しましょう。

感染原因・潜伏期間・症状・予防方法
 

潜伏時間

下痢発熱おう吐その他
  症状

10~24時間

死亡例あり
 原因食品・刺身やすし等の生食用魚介類
・魚類やゆでだこ等のボイル食品
 予防方法・食材の低温管理、水道水でよく洗う
・加熱用の水産食品を生食しない

腸炎ビブリオは自然界に生息しているため、魚介類に付着することを防ぐことは難しいですが、食中毒を防ぐには食材の洗浄、温度管理、二次汚染防止が有効です。
●魚介類は、調理前に流水(真水)でよく洗う。 
●魚介類を調理した器具は十分に洗浄消毒する。 
●鮮魚介類は、可能な限り4℃以下で保管する。 
●加熱調理する場合は、中心部まで十分に加熱する。

●お刺身や寿司で食中毒に…

原因 
・低温で保存していなかった 
・魚介類を真水(流水)で洗いながさなかった 
・十分な加熱調理をしなかった
・加熱用の水産食品を生食してしまった

腸管出血性大腸菌 O157

本菌は病原性大腸菌の一種で、ベロ毒素を産生します。
この毒素が出血性腸炎を引き起こし時には死に至る場合もあります。 
主に牛の腸管に生息するため牛肉や牛糞が付着した食品が事故の原因となることが多いです。 
腸管出血性大腸菌O157検査によって、健全な製品であることを確認しましょう。

感染原因・潜伏期間・症状・予防方法
  潜伏時間 発熱  おう吐  下痢
  症状2~7時間◯(血便)
重篤な合併症(溶血性尿毒症症候群、脳症)を引き起こすことがある。
 原因食品・牛肉
・野菜・果物
 予防方法・食材の洗浄・消毒
・食品中心部までの十分な加熱(75℃で1分間以上)
・調理器具の使い分け、洗浄・消毒

食品細菌検査 料金表

各検査項目共に、10検体以上ご依頼の場合はご予約をお願い致します。

病原細菌
 

 項目名 税込価格  検査方法

必要検体量

検査日数

黄色ブドウ球菌(定性)¥3,300
(内消費税¥300)
卵黄加マンニット食塩寒天培地法 
(ベアードパーカー寒天培地法も可能です。ご予約下さい。)

1検体につき50g以上

6営業日
(最短で2日※)

 黄色ブドウ球菌(定量)¥5,500
(内消費税¥500)
卵黄加マンニット食塩寒天培地法 
(ベアードパーカー寒天培地法も可能です。ご予約下さい。)

同上

同上

サルモネラ(定性) ¥3,300
(内消費税¥300)
BPW増菌法

同上

7営業日
(最短で4日)

腸炎ビブリオ(定性)¥3,300
(内消費税¥300)
アルカリペプトン水増菌法

同上

7営業日
(最短で3日)

セレウス(定性)¥3,300
(内消費税¥300)
NGKG寒天培地法

同上

10営業日
(最短で2日)

腸管出血性大腸菌 
O157/O111/O26(定性)
1血清型:¥6,600(内消費税¥600)
2血清型:¥7,700(内消費税¥700)
3血清型:¥8,800(内消費税¥800)
遺伝子検出法

同上

10営業日
(最短で1日)

※「最短」とは、好条件で結果が判明した場合をいいます。検査日数を短縮することを保証するものではありません。

※その他の項目はお問い合わせ下さい。